仕上げ編

建築家の自邸VOL 54(素材選び 外壁材)

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スタッコラーストの外壁が塗られた。
だいぶ前に終了していたが、天気がいい時の写真使いたかった
ので、ようやく公開します。
建築家の自邸VOL 46(試みた設計事例 左官材料編2)
で詳しくテクスチャーのこと話しているので、
興味のある方は、過去ブログ読んでみてください。

さて、結果はどうだったかと言うと、
「すばらしい」の一言。
「汚れるだろうな」という感想は、この肌を見てしまうと、
そんな事はいいじゃないかと思ってしまう。

汚れるのは承知のうえで、なんて普通は施主に勧められないが、
自邸で挑戦した甲斐があった。

Blg05047c左官屋さんが、打ち合わせたテクスチャーを、忠実に再現してくれて、想像以上の壁が出来上がった。

聞くところによると、かなり苦労したようだ。


近所の人は、塗っているのを眺めて、「芸術のようだ」と言っていたそうだ。

材料は予定の1.5倍使ったと、監督さんは嘆いていたが、
母も職人も大満足の様子。
その監督さんも足場を外した後の出来のよさに感動して、
「かっこいいですよ」と興奮した様子で知らせてきました。

Blg05047b 太陽光の当たり方で、色が変わる。写真ではアイボリーに見えるが実際もそう。夕日に当たれば、また色が変わる。

いろいろな表情で楽しませてくれる。


天気のいい日に、是非みていただきたいなと思う。

アートディナー中澤建築設計事務所


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建築家の自邸VOL 53(素材選び 浴室タイル)

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浴室は出来る限り、在来工法で作っている。
木造2階部分など、防水に不安があるときは、ユニットバス。
木造1階やRC造の時は、在来工法が多い。

今回の場合も、車庫スラブの上なので、シート防水をした上で、
在来工法の浴室を作った。

なぜ、ユニットバスでないのかと言うと、最大の理由は窓。
ユニットバスも窓があるのだが、制約が多くて、
自由な浴室が作れない。また私は出窓型にして、そこに
座れるようにする提案をしているので、こうしたことは、
ユニットバスでは不可能。

また、ユニットバスは設計する必要がないので、
面白くない。種類を選ぶだけのコーディネートだけでは、
手を抜いている気持ちになってしまう。

そうは言っても、世の中の主流は圧倒的にユニットバス。
必ず言われるのが、壁がタイルだと掃除が大変。カビが生える。
ユニットバスのつるっとした壁よりは汚れがつきやすいが、
昔より、タイルの表面も目地も、汚れにくくなってきた。

窓を作り、風通しをよくし、浴室乾燥機など使用すれば、
心配するほど、カビは生えない。
なんていったって、在来工法なら、床暖房もできるのだ。

最近の雑誌によく出ている白いタイルとガラス扉で、
洗面所やトイレと一体となった洋風な浴室など、
若い世代の好むところのものは、ユニットバスでは作れない。

そこで、毎回どのようなタイルを貼るのか、浴槽の色はと、
お客さんと何度も相談することになる。

前回、白一面の空間を好まないと言ったが、世の中の白傾向には
かてないものがある。平行して設計しているお施主さんでも、
白が基調となって、色相談をしている。
最近、この傾向が強くなったと感じる。

自邸もその例に洩れず、妻から白がいいと、半ば強制的(笑)に
注文された。建築家も妻には圧倒的に弱い。(苦笑)
おいおい施主の母親の意見は?といわれそうだが、
そこはしっかり丸め込む(汗)

今まで使ってきた石のような風合いのタイルが製造中止と
なってしまって、過去のようなイメージの浴室が難しくなった。
こうしたこともあり、白い浴室に挑戦した次第です。

Blg05017a 白にもいろいろあり、吟味した結果、出窓の壁には、
モザイクタイルを貼り、陰影を浮かび上がらせることにした。写真ではその雰囲気が伝わってないが、トップライトの光が射し込み、この試みは成功したかなと、思っている。

この部分は、是非見学会で、注目してみてくださいね。メインのタイルは、つや消し調。これはツア有とどちらが良かったか、難しいところだ。

Blg05017c 私の得意とするトップライトは、先日植えたパテイオ(中庭)の木がよく見える。
当初、くもりガラスか迷ったが、木が視線をさえぎるので、透明にしても気にならない。これは母から非常に喜ばれている。

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建築家の自邸VOL 52(素材選び 床タイル)

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いよいよ内装の仕上げに取り掛かる時期が来た。
工事の順を追って、素材、色を決めていく。
色はかなり重要な要素だ。最近流行の真っ白な空間なら、
考えずにすむのだが、すべてが真っ白な世界は好まない。
木の色、素材の持つ色というのがあるわけで、
それまでを白く塗ってしまうのには抵抗がある。

料理をしていると、おいしいものとは、素材の持つ魅力を
最大限に生かすことだと、わかってくる。
日本料理が特に素材にこだわっているのは、よくご存知でしょう。

だけど、家になると、材料の持つ魅力や色などには、並んでまで
ラーメンを食べ比べるほどこだわらない。

今回の自邸で使っている主だった仕上げ素材をあげると、
構造材、木枠、タイル、コルクタイル、左官壁、天然化粧板など
その中で、かなり重要な要素を占めるのが、タイル。
浴室以外に3箇所の場所で、床タイルを貼る事になっている。
特に、居間の空間は一段下がっていて、外部とのつながりを感じ
させ、キッチン側のコルクタイルとも、バランスがとれる色を
吟味した。

いろいろ候補を探して、見つけたのが、名古屋モザイクの
イタリア製のタイル。基本は黒であるが、かなり色むらがあり、
こげ茶と思うほどの差がある。また表面も小さな凹凸があり、
一枚一枚がすべて違うという所に、惹かれた。
しかも、日本製に比べれば安い。

欠点は日本製ほど正確に作られていない。タイル屋に言わせれば、
目地がふらふらする。ビシっと通らないのだ。

色むらが激しく、同じものはひとつとない、というのは、
きちっとした製品を求める日本では欠陥商品となるだろう。

しかし、自然のものはひとつと同じものはない。
見方を変えれば、自然な雰囲気があるともいえる。

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内部仕上げでは、最初に居間の床が貼られた。
実に味わい深い床となって、母も、現場も満足している。
この床にあわせ、壁をどう塗るかが、次の課題だ。

アートディナー中澤建築設計事務所

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