長らく床暖房について書いてきましたが、一番皆さんが気になる
のは、一体いくらかかって、月にどの位かかるのよ!
ってことだと思う。
省エネだとか、ローコストとかいっていて、ホントはどうなの?
とよく言われる。具体的数字をこういうブログでは言いたくない
のが本音だが、自邸って言うことで、施主に迷惑かからない
という事で公開しましょう。
今回の床暖房設備工事費はざっと120万ってところです。
内訳はボイラー20万、材料、工賃、出張費、機器類など100万。
ボイラーは熱源や容量によって違うし、場合によっては給湯兼用
にして、本体工事費にまわすなんてこともあるけど、
今回の場合は、灯油の温水暖房専用10000kcsl/hレベルを
別途に用意した。
ボイラーを別にして100万位だと思ってもらうといい。
そのほかに建築的にモルタル下地や断熱材を敷くなんて工事
あるのだけれど、多かれ少なかれ、床暖しなくても建築で
床下地作ったり断熱するので、今回はそこまで説明はしません。
え!120万もかかるの?と思われただろう。
見学会でもこの話しすると、この数字聞いて、やっぱり床暖房は
高いんだ~って事で、終わってしまう。
さて、そこで良く考えてみてください。この方式、一体どれだけ
の面積を暖めているとお考えでしょうか?いや体積を。
1階部分、物入れ以外すべての床を網羅し、ざっと25坪50畳
分であり、しかも2階にも効果がある、全館暖房である。
10畳の居間に6畳分の一般的な暖房パネル敷きました
って言う値段と比較されては、確かに分が悪い。
でも、それって実際は床暖は補助でエアコンつけてませんか?
しかし、パネル式で全館暖房試みて(実際は不可能)と
ガスメーカーに見積もり依頼すると、びっくりするような金額が
出てくるから、専門家ならこれが安いということがわかるだろう。
とはいえ、床暖は居間だけでいいんです。という人には向かない。
全館暖房(床暖のあるべき姿)したいという人にとっては、
かなりお買い得な話だと思いますが、面積が小さいと割高に
なりますから、オススメしません。
述べ床40~60坪くらいの家で、最低でも2系統15坪30畳分
くらいからでしょう。
80万~120万くらいの範囲で出費できる人にオススメします。
もっと気になるのは、月の燃費でしょう。
床暖房にしたら月に電気代が8万もかかったなんていう、極端な
例がいくらでもあるから、おっかない。
最近は深夜電力を利用した方法もあるので、電気床暖は高いとも
いえないが、この場合は、確実に蓄熱式にしないとだめですよ。
灯油が高くなったといっても、燃料としてはいまだに最安。
大まかには灯油と深夜電力はほぼ同等レベルのようだが、一時
灯油1に対して都市ガス2倍、プロパンガス3倍、
電気5倍と言われていた。
というわけで、オール電化にこだわらず、タンク置ける敷地が
あれば、灯油ボイラーをオススメしている。
この灯油、200リットルのタンクを設置するのだが、
給湯、お風呂のボイラーもこのタンクにつなげる。
大体、およそ1ヶ月で200リットル使う勘定で、
床暖分としては半分から3分の2くらいだろう。
過去の住宅からすると、100~150リットル位が燃費となる。
ボイラーの能力からしても、10000kcsl/hあたりで一日
7時間回して、30日分とすると、約280リットル消費する事
になるが、低温で循環して、7時間ずっと最大燃焼するわけじゃ
ないので、半分くらいの消費でいいと判断できる。
正確にはこの自邸でデータとっていこうと思っているが、
大雑把に言えば、50畳暖めるのに、一ヶ月8000円~12000
(灯油80円/Lとして)くらいの燃費だと考えている。
何度も言うようだけど、居間と寝室の二部屋の暖房費じゃない
ですよ。
もちろん地域の気温差や使う人の体感温度差で違うので、
目安としてこの位としかいえないが、建物が高気密高断熱化して
きているので、この蓄熱式床暖房の省エネ化はますます進んで
いる。ダイレクトゲインが見込めるプランであれば、
さらに省エネになる事でしょう。
ファンヒーター数個やエアコンの冬の光熱費を考えてもらえば、
安いか高いか判断できるでしょう。
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